「グアテマラと日本を繋ぐ、顔の見える教育支援」元教師の私が成し遂げたい子どもの貧困への解決策。 | ボーダレスアカデミー | 社会起業のためのソーシャルビジネススクール
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アカデミー生インタビュー

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「グアテマラと日本を繋ぐ、顔の見える教育支援」元教師の私が成し遂げたい子どもの貧困への解決策。

「勉強がしたい!」
働きながらも学ぶ
たくましい子どもたち

この事業をしようと思ったキッカケを教えてください。

海外青年協力隊でグアテマラに配属されたことが、はじめのキッカケでした。
小学校の算数教育向上を目指したボランティアに参加し、現地の学校を何校も回りながら、教員に対して研修などをしていました。

2年間で、グアテマラのことが大好きになり、帰国後も「多くのことを学ばせてもらったのだから、この経験を活かして、日本で頑張ろう!」と思ったのですが、いざ日本で仕事を始めると結局また忙しい日々が始まって……。職場と家を往復するだけの日々の中で、心がなんとなく乾いてきたんですよね。

「グアテマラで感じていた、あったかい気持ちとか、純粋な気持ちってどっかに行っちゃったな」とすごく切なくなりました。

そんな中で当時、週に1回日本語を教えてた女の子がいて、その子にオンラインで日本語を教えるその時間だけが、唯一心がピュアになれたんです。

グアテマラ人の女の子の「素直に勉強したい」っていう前向きな気持ちに、日本では感じられないエネルギーをもらっていて、それを感じたときに「一生こういう風にグアテマラ人と繋がっていきたいな」って思ったんですよね。

そこで、自分の経験を生かせる教育という分野で、グアテマラの教育へ貢献したいと思ったときに、一番気になったのが「働いている子どもたち」でした。

働きながら頑張って勉強して、小学校も通ってきたけど、中学校に行くのは経済的にしんどいから諦める。そういう子どもたちにアプローチしたいなと思ったことがはじまりです。

グアテマラと日本を繋ぐ
顔の見える、教育支援

ビジネスモデルを教えてください。

最近多岐に渡りつつあるのですが、メインで言うとNPO法人で寄付型の事業です。

グアテマラでは、働きながら頑張って小学校教育を続けてきたけれども、中学校に進学する時に、新規学用品の購入が困難なことが理由で、中学校に行きたくても行けない子どもたちがたくさんいます。

日本人の方から里親さんを探して、マンスリーサポートという形で月々お金のご支援をしていただきながら、1人の日本人に対して1人の子どもを支えていくという仕組みです。

一応寄付という形なんですけど、ただいただくばかりではなく、里親さんと子どもを繋ぐことによって、子どもたちが成長していく姿を里親さんに定期的に見ていただいています。

支援するという一方的なものではなく、家族としてのつながりの中で、地球の裏側で奮闘する子どもたちのたくましい姿に、私たち日本人が受けとることができる価値あるものがあると思っています。

アカデミーに参加するまでの道のりを教えてください。

グアテマラの子どもたちのために活動したい!という気持ちを持ちつつも、自分の仕事は生活のために必要だから、学校の先生をやりながら「できる範囲」で、まずは始めようと思ったんですよ。

だけど実際は教師をやっていると、目の前の子どもが大事に思えるので、グアテマラのことを全く考えられなくなりました。

グアテマラと繋がるためには、一旦日本の教師をやめないと、 新しく何かはできないと思い、退職を決めました。そしてちょうど退職する直前に偶然SNSでアカデミーを見つけたんです。

サイトを拝見して、「どう動けばいいか分からなかった今の私にすごくぴったりだ」と思ったことと、入学前に集中講座があったので「一度受けてみて、その後に入学するかを決めればいい」と思い、すぐに申し込んだと思います。

はじめて出会う
同じ志を持つ仲間たち

集中講座を受けられた感想を教えてください。

周りの雰囲気が、普段出会うひとたちとは全然違って全てが衝撃でした。

職場や、日常生活の中では「グアテマラの子どもたちのために」なんて考えてるのは自分だけだと、自分がすごく特殊な存在に感じていました。損得で考えると、お金にもならないことを気持ちだけでやろうとすることは、普通ではないと思うのですが、集中講座には私と同じように志を持ついろんな方がいました。

どこか孤独を感じていた私にとって、やりたい分野は違えど、「何かしたい」という気持ちを形にするために行動しようとする人がこんなに沢山いるんだ、と知れてすごく心強かったです。

そして他の社会課題に取り組もうとする方の想いを聞くことで、自分の想いにより火がついて、励まされました。

もう1つは何したらいいかわからない状態の中で、起業のプロセスを全体像から取り組み方まで、順序立てて教えてくださったので、その時全部は理解できなくても、ここのやり方で一旦型にはめていけば、なんだか行けそうって思えたところも、入学を決めた理由のひとつですね。

たとえ小さな範囲でも
自分にできるところを守ればいい

集中講座の話だったと思うんですが、田口さん(※1)の三遊間の話がすごく私の心に残っています。私は三遊間っていう言葉を知らなかったんですけど、野球ではサードとショートの間のことを呼ぶ言葉だそうで…。

野球の守備で三遊間はどうしても空いてしまう穴。その空いた場所を守りに行くのがソーシャルビジネスだ。と田口さんがおっしゃられていたんです。

社会で誰からも見向きもされず、お金にならないからと言って見放されている穴。そういうものが社会にはいっぱいあるから、たとえ守備の範囲が小さくても、そこを自分以外に守る人がいないんだったら、守りに行けばいい。というお話でした。

当時不安に思っていたのは、私が対象としたいグアテマラの1つの村っていうのは、世界で考えたら、めちゃくちゃ小さい規模なんですよね。

「私がそこで行動したことで、別に地球は何も変わらないよな」と心の中で思っていたし、もう1人の冷静な自分が「やってもやんなくても一緒じゃない?やる意味ある?」と言っていたんですよね。

でも「社会の穴を埋めに行くことをしてるんだ」と言われた時に、確かにそこの村には勉強したくても続けられない状況の子どもたちがいる。

そしてアクセスできるのは、日本人では私しかいないと思った時に、やる意味はあるし、進んでる方向は、きっと間違ってないと思えるようになりました。

(※1) ボーダレスアカデミー創設者・現 アドバイザリーボード
株式会社ボーダレス・ジャパン代表取締役社長 田口一成
https://academy.borderless-japan.com/review/taguchikazunari/

日本人である自分にできる
子どもの貧困

アカデミーの中で印象に残ったエピソードを教えてください。

たくさんあるのですが、1番は辻井さん(※2)の言葉です。
1対1でプランの相談にのっていただいた時に、すごくいいねと言ってもらえたんですが「日本にも貧困があるよ。貧困の根本的解決って何?」と言われたんですよね。

どこにでも貧困は存在してるから、グアテマラでやることに関しては、確かに意味があって良いんだけれど、+αで「どうして貧困が起こっているのか?」と構造から考えて、それに対する自分の哲学や答えを持っておいたほうが良い。と「子どもの貧困」(水曜社/渡辺由美子著)という、1つの本を紹介してもらいました。

実際にその本を読んでみると、テーマは日本の子どもの話でしたが「グアテマラの話かな?」って思うくらい、貧困の連鎖の構造が全く一緒だったんです。

その本を読んで「私は今までグアテマラのことばかり言っていたけれど、貧困の連鎖は日本も同じ。なんで私は、自分の母国のことを何もやらないでグアテマラのことをやっているんだろう」と思ってしまったんですよね。

その時に、本当にその貧困問題に対して、真摯に向き合っていくのなら、日本人である自分のアイデンティティがあるんだから、グアテマラだけじゃなく日本の貧困にも自分なりの向き合い方をしなきゃいけないと思いました。そう思ってから、日本の子どもたちにも還元できる内容にしようとプランを進めていったんですよね。

(※2)アドバイザリーボード
社会活動家/ソーシャルビジネスコンサルタント 辻井隆行
▶︎https://academy.borderless-japan.com/review/tsujiitakayuki/

取捨選択のトレーニング!様々な意見の中で選ぶ「自分の決断」

苦労したことや大変だったことはありましたか?

アドバイザリーボードの方にいただく意見って、それぞれ違うんですよ。
皆さん実績のある方で、いただいた意見はどれも納得するんですが、同じプランを聞いてもらっても、人によって全然フィードバックが違ったりして…。
さっきの人はAを推してくれるけど、次の人はBを勧めてくれる……という状況がたくさん起こるんです。
それですごく混乱したり迷ったりしてしまうんですが、最終的に気づいたのは、もう決めるのは自分しかいないんだ、ということです。

学校だと先生は正解を教えてくれる存在ですが、アカデミーのアドバイザリーボードの方々は、様々な正解や選択肢を提示してくれるので、参考にはなるけれど、答えを教えてくれる存在ではない。その中から、どれかを自分で決断することが必要なので、思考トレーニングのような感覚でしたね。

グアテマラと日本
双方にプラスとなる架け橋に

今後のビジョンを教えてください。

まずグアテマラ側として成し遂げたいことは、社会を自分たちの力で変えていけるような人材を育成することです。

対象者となる”その子だけ”が得して終わりではなく、それを与えられて育った子どもたちが次の世代を歓迎する人材になることを望んでいます。それが実現できた時に、社会にとって本当のインパクトが出ると思っています。

具体的には、集団の3.5パーセントの人が変わることによって、その集団全体が変わるというデータがあるので、義務教育の学習内容がしっかり身についた状態の子どもたちを一学年30人育成するという指標に決めました。

もうひとつ日本側としては、子どもたちに、もっとリアルな世界を感じる機会を提供したいと思っています。

今は生徒数がグアテマラの方の数が少ないんですが、1学年で30人くらいの体制になれば、もっと日本の学校教育に繋げやすくなると思うんです。

というのも、私も英語の先生をやっていたので、日本の子どもたちの英語を勉強するモチベーションが低いのは身をもって感じています。理由としては「英語を勉強したところで、使うところがない」という現場の事実があるんですよね。

だから、学校教育として、1対1でグアテマラと日本の子どもたちを繋げることが出来れば、国際理解教育の場を提供することができるし、お互いの国の教育の水準も上がると思います。

「既に全国19校との英語交流会を実施し、先生方より高い評価をいただいています。今後もこの事業は日本の教育のためにも大きくしていきたいと思っています。」

「だってやりたいから」
素直な想いを大切に

アカデミーを検討されている方へ、メッセージをお願いします!

やりたい想いはあるけれど、「やり方がわからない人」や「周りに仲間がいなくて、ちょっと孤独を感じている人」には、ぜひ参加してみてもらいたいです。

起業するためのひとつの型を教えていただけますし、自分だけがこんなことを考えている、と孤独を感じていても、日本中には同じような志を持つ仲間がたくさんいることがわかると思います。

日本って、良いことするのが恥ずかしいみたいな風潮があると思うんですが、自分の心に「良き志」が芽生えたならば、それを大事にしてほしいなと思いますね。

行動する理由は単純でいいと思っていて、理屈よりも、動く理由が「だってやりたいから」という自分の素直な思いだったら、それが一番強いと思うんですよね。

あとアカデミーに参加して驚いたことは、私は何者でもないのに、 一気に世の中を変えてきた経営者や活動家の皆さんと繋がれたことです。

普通だったら、実績を積んだ上でお話させていただく方々ばかりなのに、アカデミーに入るだけで、自分の地位や経験が何にもなくても、1対1の時間をいただけることは、本当にすごいことだと思いました。


さきさん、ありがとうございました!

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