「うつ離職をゼロに」コロナを乗り越えて見出した、人間関係がよくなるための”仕組み”を全国へ。 | ボーダレスアカデミー | 社会起業のためのソーシャルビジネススクール
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アカデミー生インタビュー

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「うつ離職をゼロに」コロナを乗り越えて見出した、人間関係がよくなるための”仕組み”を全国へ。

仕事が大好きだった兄が
鬱離職をして感じた違和感

メンタルヘルスや鬱離職について関わるようになった経緯を教えてください。

2つの出来事が重なったのですが、ひとつは横浜に住んでいた私の兄が鬱離職をしたことがきっかけです。当時兄は、建築の現場監督をしていて、当時大きなプロジェクトを任され遠方に転勤したばかりでした。

慣れない土地だし、社内の人間関係だけじゃなく、他の会社との関係も複雑で結構大変な現場だったんじゃないかなと思います。すごく仕事が大好きで、仕事で結果を作っていくことが喜びみたいな人だったのに、鬱になり離職してしまったと聞いて、とても衝撃を受けました。

離職してから続くように体も壊してしまい、「あんなに元気で仕事に生きがいを感じていた兄が、なぜこんなことになってしまうんだろう」と疑問に思うようになったんです。

今まで健康運動指導士として、企業の職員さんの健康づくりに関わってきましたが、1人の人が、社会的に仕事ができなくなることが起きてしまう鬱の問題は、どうにかして取り組むべきだと思い、鬱離職について真剣に考え始めるようになりました。

企業研修×
人間の心の仕組みの可能性

社会課題に対してアクションしようと思ったきっかけを教えてください。

当時マインドフルネスのコースを幾つか学んでいました。ちょうど健康運動指導士の仕事で、職場での健康づくりの研修を担当させていただいたこともあって、マインドフルネスと運動を企業さんの研修内容にしてはどうかと漠然と考えていたんです。

今までは「自分と自分の周りの知り合いや家族が幸せだったら、私は幸せだ」と思っていたんですが、結局それって自分さえよければいいような考えだなと、兄の出来事がきっかけに、今までの価値観が一気にひっくり返ったんですよね。

同じ会社にいて同じ給料をもらっていても、ものすごく仕事の負担を抱えている人と、 そうじゃない人がいる現状がある中で、鬱になってしまう人は、たまたまストレスフルな現場だったり、上司とうまく励まし合えないような関係になってしまったのかもしれない。

周りの目から見ても大変だとわかっているけれど、自分がどんな協力ができるのかもわからないし、自分も忙しくて余裕がない……というようなことが沢山起こっているように感じます。

大きな課題として、鬱になってしまう人がサポートを受けれなかったり、当事者自身もその人自身の性格が原因で、サポートが欲しいと言えなかったり、色んな問題が関連しあって起きているんですね。

健康を崩してしまう前に、どうにか未然に防ぐ方法はないかと解決策をずっと探していました。企業には産業医のシステムがあるけれど、精神的な問題を抱えている方は産業医に行きたがらないケースが多いんです。

会社から行けと言われても、「産業医にかかる=自分の実力を低く見られたり、評価が下がってしまうんじゃないか」という不安にもなるようですね。

そうやって悶々と考えていたので、何かアイデアはないかと色んなイベントやセミナーに対してアンテナを張っていたところで見つけたのが、ボーダレスアカデミーでした。

アカデミーに参加した理由を教えてください。

説明会の時に、ソーシャルビジネスって面白いなと思いました。でも、私の考えていた鬱やメンタルヘルスに関する課題って、海外に関することでもなければ、工場をつくって雇用を生むようなものでもないので、社会課題としてビジネスになるのかという不安はあったんですよ。 

当時私は、健康運動指導士と同時にヨガのインストラクターもしていたので、それらを通じて精神的に落ち着くことで、鬱離職に対する課題解決の一つになるんじゃないかと漠然と思っていました。

説明会には、たぐっさん(※1)がいらっしゃって、そのことを話してみたら「ヨガをやるって決めてるんだったら、アカデミーに来る必要はないよ」と言われたことをすごくよく覚えています。

アカデミーに参加することは、「社会課題に対してビジネスで解決する方法を模索する」ということなので、もしあなたが「絶対にヨガでビジネスをしたい!」と強く想うならば、自分ひとりで起業した方が早いかもしれない。とアドバイスをいただきました。

説明会って、通常は「参加者を募るために行うモノ」だと思うのですが、私の立場に寄り添ったアドバイスをいただいた時に、ここは売上のためじゃなく、本気で社会を変えるためにやっているんだなと感じましたね。

私の考えうる選択肢として、漠然とヨガをしたいと言っていただけだったので、「もっといい解決方法があるのであれば、ここで学びたい」と思い、アカデミーに参加することを決めました。

(※1) ボーダレスアカデミー創設者・現 アドバイザリーボード
株式会社ボーダレス・ジャパン代表取締役社長 田口一成
https://academy.borderless-japan.com/review/taguchikazunari/

人の心を読み解く
新しい企業研修

現在の具体的なビジネスモデルを教えてください。

職場での人間関係やストレスによって鬱離職になってしまう人を出さないための企業研修「人間関係による離職0プログラム」というものを実施しています。

アカデミー期間中につくったプランと本質は変わりませんが、人間の心の仕組みから自己理解や他者理解をする研修を行いながら、企業さんに対してコンサルを行なっています。対象となる企業さんは、介護施設、保育園、食品製造業がメインです。

主に、人手が足りなくて、尚且つ肉体労働だったり、人間関係がかなりサービス力に影響する業種ですね。人間関係がよくなると必ずサービス力は上がるので、企業研修として取り入れていただいています。

深堀りにより見つけた
課題の根本

アカデミーの中で、苦労したことはありましたか?

ソーシャルコンセプトを作っていくとき「その課題はなぜ起こっているのか」という原因の深堀りに一番苦労しました。出来事に対して、何度もプロセスを辿って、どこに原因があるのか考えていくのですが、やっていくうちに原因の根本が途中で分からなくなってしまって…。鬱離職自体が、社会課題でいいのかさえ迷ってしまったこともあります。
何度も深堀りを繰り返すうちに、原因であり、解決策が「人間の心の仕組み」であると辿りつきました。

心の仕組みっていうのは、心の一番奥底で、逃れようのない潜在意識なんですよ。なので、「この人が苦手だ」とか「強く言われてしまったら、なにも返答できない」という行動は、自分の意思と関係なく出てしまう部分です。なので少し難しいのですが、このバイアス(先入観)が発生してしまう原因が「人間の心の仕組み」なんですよ。

卒業後にモデルチェンジ!
緊急事態宣言による、新たな壁

起業への道のりを教えてください。

卒業時のビジネスプランは、主にヨガやマインドフルネスを使ったプログラムを考えていました。よしやるぞ!と意気込んでいましたが、アカデミーを卒業したタイミングが、ちょうど1番最初の緊急事態宣言が出てしまった時でした。

もともと対面で行う、ヨガやマインドフルネスのビジネスプランだったので、一旦練り直さないといけなくなってしまい、最初からつまずいてしまって身動き取れない状態になってしまいました。

出来る範囲でなんとか進めていくうちに、他にも課題が見つかり、そこからもう一度オンラインでも出来るものを探し始めて、今の研修プログラムに行き着いたんです。

起業前のビジネスプラン(研修内容)は、マインドフルネスの内容が主で、Google社が展開しているプログラムや、マサチューセッツ工科大学で行われている内容をオンラインで学んで準備を進めていました。けれども、いざやろうとすると、私が対象としたい業種の方々とは相性がよくなかったんですよね。

介護士さんや、製造業の方なんですが「マインドフルネスってなんだ?」と、小難しい印象を与えてしまうことが多かったんです。

そんな理由もあって、もう一度手段となるビジネスモデルを考え直しました。今までとは違うプログラムを探して、結局今はマインドフルネスも取り扱っているんですが、それ以外にも「ほめゲー」という組織力を高める対話の実践ゲームだったり、ランチタイムの健康運動
(※2)など、オンライン・オフライン関係なく色んな要素を組み合わせて研修内容をつくっています。
業界によって内容はアレンジしていて、製造業なら腰痛や膝の痛みなど身体の分野を取り入れてますね。

(※2)10分ランチフィットネス®一般企業向けプログラム | スタディオパラディソ | コミュニケーション・活力・パフォーマンス向上をサポート (paradiso.ne.jp)

ノージャッジメントでニュートラルな
世界をつくりたい

最後にもうひとつ「アンコンシャスバイアス」という「自分でも気がついていない自分の偏見」を取り入れました。

LGBTとかがどんどん話題になってきている中で、最近よく出てきたワードですが、実は人って、 自分の偏見を通してからしか人の話を聞いていないという考え方がアンコンシャスバイアスです。

話をしていても、無意識のうちに、自分の中で取捨選択をしていて、ピンと来るワードは頭に入ってきてるけど、もう一方で「私は関係ないと認識したワード」は入ってこないんですよ。

気を使ったりとか、「これ言いたいけど、これ言ったらあの人嫌な気持ちになるんじゃないか」とか、「あの人の立場なくなっちゃうんじゃないか」とか。いろんなこと考えながら、私たちはコミュニケーションをするので、狭い関係性で過ごしているので、そのコミュニケーションがずれるっていうことが起きたりとかしますね。

もうひとつポイントとして、頭では悪い人ではないと分かっていても、この人苦手っていう人の前では、なぜか言いたいことが言えないとか身体が固まるとか…。

誰でも多かれ少なかれあると思うんですけど、これが人間関係を止めちゃう大きな原因のひとつなんですよ。その原因は何なのかとひも解いていくのが、このプログラムですね。

それを職場のみんなでやると、「なぜその人が苦手なのか」ということが自分でわかるんです。苦手な人とかがいると、相手のせいにしがちなのですが、相手の立ち振る舞いや、表情やいろんなことに自分の何かが引っかかってるだけで、実は相手はまったく関係ないんです。

それを職場の人たちとやることで、今まで感じていた負の感情は相手のせいじゃないんだっていうことが分かったりするので、その人の関係性がすごく柔軟になってきます。

だから、今まで仕事が滞ったりすると、誰かや自分のせいにしていたことは、実は誰のせいでもないと理解することで「みんなで責任を取っていこう」という土台が組織の中で生まれるプログラムなんですよね。

「学校」だけで終わらない
気さくな関係性

アカデミーの期間中、印象に残っていることはありますか?

なんでも聞いて良いという雰囲気があると思っていました。

よく心理的安全性と言っていますが、アカデミーにはその土台が初めから作られていると思います。最初から何を言ってもいいような、疑問は何でもぶつけていいような雰囲気があったなと思います。

アドバイザリーボードの方々は、経営者の方もたくさんいらっしゃったと思うんですけれども、いい意味で壁を感じずに気さくに相談に行ける関係性だったことが有難かったです。

自分ひとりでは聞けないような、様々な企業の鬱離職の実態や事例をヒアリングさせていただいたり、中村修治さん(※3)には、卒業後も厚かましく提案書を見ていただきました。私の場合、後先考えずに起業してしまったので、学校だけで終わりじゃなく、繋がりや関係性が生まれることがとても貴重だなと思います。

(※3)アドバイザリーボード
株式会社キナックスホールディングス 取締役会長 中村修治さん
▶︎https://academy.borderless-japan.com/review/中村修治/

卒業後の
心強い経営伴走

起業後、経営伴走(※4)としてタカシさん(※5)に、月に一度、損益計算書(PL)の確認や経営アドバイスをいただいています。卒業後もフォローいただけるのは、すごく心強いですね。経営伴走をしてもらっている卒業生は総勢20名近くいるんじゃないでしょうか。

特に私は一人でやっているので、第三者の目っていうのがすごく必要なんです。
チラシ1つ作るにしても、自分が伝えたいことが必ずしも、相手が受け取りたい情報ではないので、ちょっと違ったり……。一度アカデミーでご一緒した気心の知れた方に、サポートをしていただく機会があるのは、とても有難いですね。

サポートをお願いしてから1年ぐらい経つので、そろそろ卒業しなきゃって思っています!

(※4)アカデミー卒業生が参加できる有料のアフターフォロー
(※5)ボーダレスアカデミー代表 半澤節
https://academy.borderless-japan.com/review/takashihanzawa/

心の仕組みを体感してもらい
口コミで広がるサービスへ

直近の目標を教えてください!

今年3期目で、ホームページをちょうど作り直すところなんです。少しずつ今行っている研修コンサルで、お客様のチームワークが上がってきたり、コミュニケーションの質が変わってきているのを結果として感じています。

今はまだ、企業さんに飛び込み営業とかをしてるんですね。
なので3期目は、飛び込み営業は半分で、 実際に研修を受けてくれた企業さんから「これよかったよ。めっちゃチームワークできる研修だったよ」と口コミをいただけるような、自然と広がっていけるサービスにしていく1年にしていきたいです。

対象の3つの業種は、全て人材不足なんですよね。人が足りなくて離職率も高い。

だから人が足りない業種だけど、「この研修をやってすごくチームワークが良くなって、辞職する人がいなくなったよ」っていう口コミで広がっていって、体力的にしんどいお仕事であっても誇りを持って続けてく人たちがどんどん増えるような社会になってほしいです。

そしてその業界で今お仕事されてない人にも「一緒にやろう!うちにおいでよ」と自信持って言えるような、働きやすい職場になってるっていうのがビジョンですね。

ソーシャルインパクトとしては、3期目はクライアントさんが10社増えるようにしたいです。
あとは、これだけやったらこうなるっていう明確な結果も、体験してもらわないと分からないんですよね。同じプログラムをやっても、やる人が変われば、また結果も変わる。 だからずっとプロトタイプの中にいるような感覚でトライ&エラーの繰り返しです。

でもちゃんとお話すれば、 必ず結果に繋がるっていうことは、もう信じ切っていますので、これから大躍進に向けて準備中という段階ですね。

アカデミーを検討されている方へメッセージをお願いします!

アカデミーでいろんな人と出会えることは、必ず自分の人生を豊かにすると思います。様々な社会問題について、解決しようと奮闘するみんなと出会うことで、一気に20も30も社会問題に触れることができる。

そんな経験を3ヵ月間過ごすことで、必ず自分の中の社会を見る目が変わる。社会を見る観点が変わる。だから、起業するしないにあまりこだわらずに、興味が少しでもあるのならば行動に移した方が、人生がより豊かになると思います。

あとは、同期のみんなやアカデミー事務局、アドバイザリーボードの方々と一緒に切磋琢磨することで、自分はひとりじゃないと、安心して挑戦できる環境がありますね。

ゆきさん、ありがとうございました!

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