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【卒業生インタビュー】Uターンで直面した課題から起業に挑戦した理由とは!?

社会課題解決・事業立ち上げに向けて何か行動したいという方々から、「会社員だけど、本当に仕事と両立できる?」といった声が数多く寄せられています。一歩踏み出すには、時間やお金、そして何より「自分にできるのか」という不安がつきものですよね。
このインタビュー記事では、まさにその悩みを乗り越え、自身の社会課題解決へと動き出した卒業生たちのリアルな体験談をお届けします。今回は、Uターンで直面した課題から起業を決意した卒業生の池亀さんに、その道のりについて詳しくお話を伺いました。
池亀さんの挑戦やその歩み方を知っていただくことで、次の1歩を踏み出す皆さんの参考になれば幸いです!
■卒業生プロフィール

池亀 桃子さん (第16期生)
1994年鳥取県生まれ。2016年より新卒で株式会社KADOKAWAにて書籍営業を担当した後、第二新卒としてNHKに入局し、ディレクターとしてマイノリティーの生きづらさや、過疎地・中山間地の暮らしや課題をテーマに番組を制作。2023年に地元山陰へUターンし、まちづくりのコンサルタントとして、自治体の計画策定や、住民参加のワークショップの企画運営、教育支援などを担当。2025年5月末に同社を退職し、「多様な生き方が承認される社会」の実現を目指し、起業準備中。山陰のおばあさんの語りを記録するポッドキャスト「おばあさんラジオ」配信中!
解決を目指す社会課題との出会い
地方における働く場のジェンダーギャップ
私が解決したい社会課題は、地方における働く場のジェンダーギャップと、多様な生き方が承認される社会の実現です。
Uターンして地元に帰ってきた時、地方の働く場で強いジェンダーギャップがあることを実感しました。
性別による待遇のちがいや、それらに説明を求めても明確な理由が返ってこないこと。無意識にされるセクハラや、「あなたが入ってきたのは良いが、こちらはあなたの旦那さんを採用したい」「男にしかできない仕事がある」と正面から言われたこともありました。「今働いている女性たちはどういう気持ちで働けばいいんだろう」と強く思いました。
周りの女性たちと話しても、「この会社やこの地域ではそれが当たり前だよ」と、まるで諦めているような言葉を聞き、ショックでした。世間では「女性活躍!」と言われている中で、地元に残り続けることを選んだ人たちが、このような空気を当たり前だと思って過ごさなければならないとしたら、働く場所に希望を持てないだろうなと感じました。
様々な生き方が承認される社会へ
この問題は、単なるジェンダーの話だけでなく、働く場の環境づくりに課題があると感じていました。納得感のある評価制度が整っていないことや、経営層の同質性が高いため、現状の社会状況に合わせて人が気持ちよく過ごしたり働いたりするための仕組みがうまく作れていない、といったさまざまな構造的な問題が絡んでいると思います。私がこれまで働いてきた企業では経験したことがない感覚だったので、強い違和感と、何とかしたいという思いが募りました。
アカデミーの3ヶ月の社会起業伴走プログラム受講時点では、ジェンダーギャップに対して、雇用を生み出すことで地域に存在感のある会社を作り、日本全体に影響を与えるモデルを目指していました。しかし、プログラムを通じて地域での活動を深める中で、より根本的な課題が見えてきたんです。
それは、地域の中に多様な生き方をしている人がたくさんいるのに、それが可視化されていないこと。属性で括られてしまう中で、実は様々な人生や状況がある、ということをどう伝えたらいいか、という方向へと解決方法がシフトしていきました。現在は、「様々な生き方が承認される社会」という社会課題の解決に取り組んでいます。
ボーダレスアカデミーの受講について
ボーダレスアカデミーとの出会いと受講の決め手
ボーダレスアカデミーを知ったのは、NHK時代に先輩がボーダレス・ジャパンの話をしていたのを断片的に覚えていたからです。その先輩が、「報道で伝えることも大事だけど、実際に手を動かして社会を変化させていくことにも興味があるよね」という話の中で、社会起業の話をしていたのを思い出しました。
ボーダレス・ジャパンを調べているうちに、ボーダレスアカデミーの存在を知り、「自分も起業するという道があるのか」と具体的に考えるようになりました。「起業したい」という明確な目標からアカデミーを探したというよりは、地方に住みながら納得いく働き方がないか、という選択肢を探す中で、ボーダレス・ジャパンを知り、その中にアカデミーがあることを知って起業もいいな、という流れでしたね。
集中講座は、夫も一緒に受講したんです。夫婦で同じようなことに興味があったのと「この高揚感があるうちに何かを始めたい!」という気持ちが大きく、すぐに集中講座の申し込みをしました。事前に田口さんの本を読んでいたので、アカデミーのやり方についてはある程度理解していたのも大きかったですね。
2日間の集中講座を受講してみて

集中講座で印象的だったのは、私の「地方の働きづらさの問題」という漠然とした社会課題に対して、同じくらい漠然とした課題を持つ参加者が他にもいたことで、「解決したいという気持ちがあればいいんだ」と安心できたことです。
またボーダレス・ジャパンの「AMOMA」などの事例をもとに、社会課題の解決とビジネスをどう両立させるかについて説明してもらいました。一般的な「社会起業」の言葉の定義とは異なるかもしれませんが、「経済活動の中で社会課題を解決する」ということがどういう意味なのか、非常に良く分かり、感動しました。
集中講座(15期)を受講後、すぐに社会起業伴走プログラムを受けずに、一つ後の16期に参加しました。集中講座後も、自分が働いている場所で問題だと思っていることが日々起き、それに対して解決策を持てない自分にイライラすることも続きました。
他の選択肢も見つからない中で、やはり起業したいという思いがどんどん強くなっていったんです。ちょうど当時、自治体コンサルの仕事をしていて、通年で自分が担当する案件の状況が見えてきた時期でもありました。9月からのプログラムであれば、仕事との両立が可能だと判断できたのも、受講の決め手になりましたね。
3ヶ月の社会起業伴走プログラムについて

社会起業伴走プログラムで得られた一番大きな変化は、「起業するという選択肢が当たり前になった」ことです。一緒に本課を受講する仲間たちは、「起業するつもりだから受けている」という、すでにその意識を持った人たちでした。
そういう「起業するのが当たり前」というスタンスのコミュニティで3ヶ月過ごす中で、徐々に「起業しなきゃダメだ」という決意が育っていくような感覚でしたね。「自分で問題だと思っていることを解決していくんだ」という気持ちが、すごく内面化できたのは大きかったです。
受講時期の時間の使い方
平日は毎日1時間から1時間半くらい、仕事が終わってからの時間に作業をしていました。仕事の昼休憩にヒアリングをしたりと、隙間時間を徹底的に活用しました。休日は2日間のうち、半日くらいは時間を費やしていましたね。
時間の作り方としては、帰宅したらすぐにパソコンを開いて作業を始める、ということを徹底しました。とにかく「やる」と決めて、すぐに取り掛かる、という感じでしたね。
夫やアカデミー同期からの支え
夫が夕食の準備を担当してくれていたので、家事に追われずに済んだのは大きかったです。夫も、私が普段からジェンダーギャップに関する悩みを話していたので、理解してくれていたんだと思います。相談できる相手がいるのは、精神的にも非常に助けられました。
また同期の仲間たちの存在が大きかったです。同じグループの仲間たちは、私が弱音を吐くと「大丈夫、できるぞ!」と励ましてくれました。次に彼らに会う時に、少しでもポジティブな話を持っていきたい、という気持ちで、普段の作業を頑張ることができました。
事業プランの変遷
最初は、地方の働く場にあるジェンダーギャップを解決したいと考えていました。女性が働きづらい原因を、ジョブ型の仕事設計ができていないことだと考え、自分の裁量でできる仕事を増やす会社を作ろうとしていたんです。
しかし、ヒアリングを重ねる中で、根本にあるのは「制度や仕組み」だけではないことに気づきました。話を聞いていくと、多くの女性が感じるのは、ジェンダーロールの中で、「期待されていない」という精神的な辛さでした。「女性だから、家庭に入るだろう」といった前提があることで、仕事を頑張り続けたい気持ちがある人も、期待されず希望を失ってしまう。さらに、これらの前提があっては、仕事と家庭の両立のための制度や仕組みの構築も進まない。
最初に制度や仕組みだけを整えても、このモヤモヤは消えない、という声を聞いた時に、まさにその通りだと思いました社会全体が「あなたたちが必要なんだ」という期待を示すことが、真の課題解決に繋がる。そう気づいたんです。
そこで、山陰地方の民芸品を扱う事業へとシフトしました。山陰は民芸が盛んな地域ですが、後継者がおらず閉じてしまった工房があったり、厳しい現状もあります。作り手や関係者のお話聞く中で、うまくできていない部分に女性の意見や発想を取り入れることで、もっと面白い展開が作れるのではないか、という視点に変わっていきました。
卒業後のステップ
ジェンダーギャップを根本から解決したい「おばあさんラジオ」を起点に事業立ち上げへ
今年の5月末に会社を辞め、本格的に起業に向けて準備を進めている中で、アカデミーで描いた民芸のプランからピボットすることにしました。アカデミー卒業後、地域で様々な活動をしていくうちに、「自分の中で、あ、こっちかな」という気持ちが芽生えたからです。
その中で気づいたのが、「属性でラベリングされたもので、人をあまりにも見られている」という、ジェンダーギャップの根本にある問題です。
そこで、まずは事業立ち上げの第一歩として、友人たちと一緒に「おばあさんラジオ」という活動を始めました。これは90代や80代のおばあさんたちのところにマイクを持って人生の話を聞きに行き、それをポッドキャストで配信する活動です。この活動を通して、お年寄りの困りごとやニーズを知ることができましたし、誰にも聞かれずにいた人生の話を残すことに、おばあさんご本人やご家族、リスナーからも意義を感じてもらうなど、ポジティブな感想を頂くことも多くありました。

一見ジェンダーギャップの話とは違うように見えるかもしれませんが、根本にあるのは「他者に対する想像力や理解」です。属性で人を判断するのではなく、一人ひとりの人生や経験を深く知ることで、社会全体がより豊かになる。身近な人を深く理解しようとすることから、社会全体に他者への理解を広げていくきっかけを作りたい、と考えています。
「おばあさんラジオ」の活動から、新しい事業を構想しています。福祉機関と連携してお年寄りの話を聞いて冊子にまとめたり、お家の片付け、希望に応じて生前整理のお手伝いをしたりする事業です。そこから出てきた民芸品や暮らしの品などをアップサイクルして販売することも含めて考えています。
また、ご家族が自分の親や祖父母の人生を知らないという声もよく聞くので、その人生をドキュメンタリーでインタビューして記事やページとしてまとめ、家族にプレゼントする「人生ギフト」のようなコンテンツを作ることも考えています。これは、これまでの前職の経験とも掛け合わせながら実現したいですね。
「一歩踏み出すには?」池亀さんからのメッセージ
「とりあえずやってみましょう」というメッセージを伝えたいです。日々は何かをしないと変わらない。明日も同じ日が来るだけです。だけど、何かをすると、当然大変なことも、怖いこともあると思いますが、その分だけ明日から何かが変化していくことがあります。だから、「思い立ったら吉日」、やった方がいいと思います。
仕事と両立しながら、自分のできる範囲の中のマックスでできることをやる。それだけでも、確実に得るものはありますし、学べることもあるし、素晴らしい人たちに出会えます。返ってくるものはすごく大きいです。時間の確保の仕方もそうですが、今ある有限の時間の中で、どう一歩を踏み出すかを考えるのが大事です。
全てをかけて挑める方が理想に近いのかもしれませんが、人間、生きていればそうとも限りません。でも、自分のできる範囲の最大限で挑むだけでも、得られるものは絶対にある場所なので、ある意味気楽に、やってみたらいいのかなと思います。
最後に
池亀さんの記事を最後までお読みいただき、ありがとうございます。卒業生のリアルな経験談から、会社員としての一歩を踏み出すヒントや勇気を感じていただけたなら幸いです。
ボーダレスアカデミーでは、まず社会問題に対してなにか取り組みたいという方から、これから起業を目指す方やすでに起業されている方まで、幅広いフェーズの方がご受講いただいております。
もし、この記事を読んでボーダレスアカデミーに少しでも興味を持っていただけましたら、ぜひ一度、オンライン説明会&相談会にご参加いただけたらと思います。カジュアルな場としてぜひお気軽にご参加ください!
ソーシャルビジネススクール「ボーダレスアカデミー」について

世界13カ国で50事業のソーシャルビジネスを展開するボーダレス・ジャパンが運営するソーシャルビジネススクールです。実践の中で培ってきた“ソーシャルビジネスの作り方・起業のイロハ”を徹底公開。国内外を問わず、また社会領域を問わず使える再現性あるメソッドが、あなたの挑戦を後押しします。
第19期受講生募集中!(2025年9月開講)

2つのプログラム
・集中講座:2日間でソーシャルビジネスのつくり方/社会起業のイロハを学ぶ 詳細はこちら
・社会起業伴走プログラム:3ヶ月でビジネスプラン完成へ/第一線で活躍する起業家がサポート 詳細はこちら
満足度94%超え!集中講座 (オンライン開催)

世界13カ国50のソーシャルビジネスを展開するボーダレス・ジャパンが培ってきた「ソーシャルビジネスの作り方・社会起業のイロハ」を学べる実践型(ワークショップ形式)の2日間オンライン講座です。累計1,400名以上の方々に受講いただき、受講満足度も94%を超えています!
■ こんな方におすすめ
・社会課題解決に向けて行動したい/繋がりたい
・社会起業 / 事業立ち上げのステップを学びたい
・社会性/利益を両立した事業モデルを構築したい
■ 開催概要
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【当日参加コース @オンライン】
日時:9月13日(土) 9:30~19:00、9月14日(日) 8:30~13:00
※1日目は19:00以降に交流会を開催します
※講座の録画動画を後日お送ります (視聴期限:6ヶ月間)
【動画視聴コース】
すぐに学びたい・土日の日程が合わない人向け
第18期(2025年5月開催)の集中講座を収録、6ヶ月間 “自分のペース”で学べる
※New! グループ討議を9月開催:解決したい社会課題のテーマやビジネスアイデアの発表、参加者同士でのフィードバックが得られます。
【受講料】
・一般 50,000円 (税込55,000円)
・学割 19,800円 (税込21,780円)
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* お申込み時に「当日参加」「動画視聴」のどちらかの受講方法を選択ください
社会起業伴走プログラム(オンライン *1日程のみオフライン開催)

3ヶ月で解決したい社会課題の本質に切り込むビジネスプラン完成へ。プログラム中、第一線で活躍する社会起業家・経営者から直接のフィードバック機会あり。(個別に計2名×5回+授業外メンタリングを提供)
■ 開催概要
対象:3ヶ月後に起業を目指し、ビジネスプランニングに取り組める方
* 3ヶ月間の社会起業プログラムは、集中講座の受講が必須となります。
* 起業経験の有無や経験・年齢は不問
日時:2025年9月24日~12月20日
受講料:195,000円(税込214,500円)
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