共に新たな社会をつくる。 | JAPANソーシャルビジネスサミット セッション3 | 社会起業家をつくるソーシャルビジネススクール

共に新たな社会をつくる。 | JAPANソーシャルビジネスサミット セッション3

JAPANソーシャルビジネスサミット セッション3 全文掲載

1:01〜
司会

それではセッション3のスピーカーの皆さんにご登壇いただきましょう。
株式会社eumo 代表取締役 新井和宏様
株式会社トビムシ 代表取締役 竹本吉輝様
日本経済大学 学長 都築明寿香様
第一勧業信用組合 理事長 新田信行様
飛騨信用組合 常勤理事総務部長 古里圭史様
いわき信用組合 常勤理事 本多洋八様
それではモデレーターの新井様、よろしくお願いします。

2:14〜
新井

最後のセッション3ですね。今まで実際にやる人たちの話が中心でしたけれども、セッション3はそれを支える人たちということでお話を進めたいなと、そういうふうに思っております。
今日5名ほどのお話いただける方がいらっしゃっているので、第1セッション、第2セッションよりも多いものですから、早めに内容に入りたいと思います。

まず今日いらしていただいたのが、審査員もやっていただいていますトビムシの代表を務められています竹本さんなんですけれども、今日地域の課題という形でプレゼンもありました、そう言ったなかで感想も含めて、地域をずっとやられてきて思っていることをお話いただければと思います。

3:31〜
竹本


皆さん改めましてこんにちは、トビムシの竹本と申します。このセッションは支える側の人たちなんですけど、私だけレイヤーが合ってなくてですね、支えてもらっている唯一の人間です(笑)
皆さまからみて右側の三方がデッドといいますか、金融、融資で支えられる方々。私の両サイドがエクイティで支えられる方。私が登壇者のお1人を除く全員に支えられている人間ですね、そういう立場なんですけど。
支える側の人間として紹介されると発言しにくいので、まず言い訳させていただくところから始めさせていただきましたけれども、感想という意味では、トビムシという会社が何なのかは割愛させていただきますけども、色んな地域で一次情報をずっと取り続けているところがあるんですね。ずっと地域に入って、地域じゃないと聞けない声を、言葉を、話を聞いているんですけども、にもかかわらず、自分がこんなにも社会の課題を知らない、無知だということがよく分かりました。皆さんの課題を聞いていてほとんどが具体的に知りませんでした。そういう課題があるんだろうなとは思っていたんですけど、具体的な数字、ソーシャルインパクトも含めて全然気付いてないっていうのがありました。
一番最初のセッションで、どなたか知ることが最初は大事ですねという話だったんですけど、今日このイベントに参加させてもらったことで、早くも色んなことを知ることができたなというのがあります。その中で知っていることも色々あるんですけど、地域の課題でいくと、私自身が起業して10年ちょっとなんですけど、ここまでなんとかやってこれていることの裏返しとして様々な課題があるわけですが、このあと多分皆さまがそれぞれご紹介されるような、スタートアップでどれだけエクイティとデッドがありうるのか、あるいはそのエクイティとデッドをちゃんと適切に持続可能に経営にいかせるようなサポートしてくれる人材がどれほどいるのかとかですね、さきほどの孤立を招かないようにという話が本当に大切なことだと思っていまして、私は幸い登壇されている皆さまのような方に支えていただきましたけれども、そう言った方が少しずつ増えているという前提にですね、皆さん心折れずに頑張ってほしいなと思います。

6:19〜
新井

ありがとうございます。続いて都築明寿香さんの方から今日審査をやられていますのでその感想と、ずっと教育という世界の中で人材育成、そして投資っていう観点でもサポートされてきました。そういった中で色んな方の感想も含めながら教えていただけたらありがたいなと思います。

6:49〜
都築


ありがとうございます。改めまして、日本経済大学学長の都築と申します。まず今日の感想からお話させていただきますと、私はベンチャー育成とか支援を20年くらいしているんですが、20年前に比べて、社会課題に対しての意識の高まりが、今日のプレゼンとか集まった会場の皆さんの人数にも比例しているなと思って、個人的にはとても嬉しく思っています。
私が20年前にベンチャー支援を始めた時は、日本にイノベーションが起きればいいなと思って支援を始めさせていただいて、ハッチェリーというインキュベーションセンターをつくったり、あとは先ほどお話したとおり、資金的に困っている方が多かったので、資金援助を始めさせていただいたのですが、当時はどちらかというとソーシャルベンチャーとか、ソーシャルに対する課題意識というよりは、もっとイノベーションを起こそう、ITで世の中を変えていこうとか、ITベンチャーを世の中に広げようとやっている方が多くて、それはそれで1つ、大きく社会が変わっていくうねりとしていいなと思っていたんですが。
でも本質的にはもっと地域に根差した問題とか、私たちが解決していく社会的な問題とか、そういうことが横たわっているなと思っていて、そこに対して解決できるような起業家をずっと支援したいと思っていたんですね。それが今これだけお集まりの方が増えるようなサミットを開けるようになってきている機運が非常に嬉しくて、今日ピッチをいただいた皆さんの話を聞いていても、自分の体験を通じてこう思ったからやらなければいけないというその気合いと、ビジネスマインドというんですかね。ただやらなければいけないという思いだけではなく、それをビジネスとして継続させていかないといけないという二輪で走れるというのは、素晴らしい機運というか、流れになってきたなと思っています。

9:07〜
新井

ありがとうございます。続きまして、今回は地域というのが大きなテーマでもありましたので、地域と密接に関わっていらっしゃる信用組合のお三方にいらしていただいております。トップバッターは私個人的にもファンですし、金融マンでこんな方がいらっしゃったんだとびっくりした出会いがありまして、まずその方からご紹介させていただきます。第一勧業組合の新田理事長にぜひ、いまソーシャルな活動をしているベンチャーたちをどんな形でサポートしているのか、またしようと考えているかをお知らせいただけたらと思います。

10:17〜
新田

ただいまご紹介いただきました、第一勧業組合の理事長の新田です。私どもの組合は東京23区の中に26の拠点をもっている組合なんですけれども、実は東京発の地方創生、それから地方創業支援を掲げる地方創生というのをスローガンに挙げております。今日いらしている飛騨信用組合さん、それからいわき信用組合さんとも業務連携しておりまして、いま、北海道から九州まで35の地域金融機関、それから9つの行政機関と業務連携して東京と地方を繋ぐ、結ぶ組合。eumoさんとも業務連携契約結ばせていただいているんですけれども、あと、実は世界的にはGABVという、Global alliance for banking on valuesという世界のサステナブル金融機関のネットワーク機関がありまして、これは世界で54の金融機関が参加しているんですけれども、日本で参加しているのは私どもだけなんですね。
勧信SDGs宣言というのをして、まさに日本を代表するサステナブル金融機関ということで、この3年間で創業支援だけでもスモール、シード、アーリー期からのものを中心に約500件の出資融資実績がございます。特に創業支援、地方創生だったんですけれども、今年は創業支援の中でも特にソーシャル面、社会的課題の解決を全力投球したいなと、eumoさんをはじめ色んな方々と連携している最中でございます。多分資金面でいうと寄付、それからエクイティ、デッド総動員ですね、それとあわせて様々な方々との連携をやっていきたいなと。それからちょっとフライングですけれども、来月には日本で初めてのソーシャルベンチャーのアクセラレータープログラムをスタートしたいと思っています。私もメンターとして全面的に皆さんのお役に立てるよう頑張っていきたいと思います。こんな感じでよろしいですか?

12:15〜
新井

またのちほどゆっくりお伺いしたいと思います。ありがとうございます。
続きまして、飛騨信用組合から古里さんにいらしていただいております。私は仲が良いんで古里さんと呼んでしまうんですけれども、役職もつけず申し訳ございません(笑)。古里さんはいま日本で一番活気のあるというか、いま非常に注目をあびている「さるぼぼコイン」という地域通貨を実際に導入された立役者でありまして、いま全国で引っ張りだこというお忙しい中ご参加いただきました。今日を見て感想でもいいですし、今まさに飛騨でサポートをされている立役者でもありますので、飛騨地域の起業されている方々や、飛騨の課題でも良いんですけれども、皆さんとシェアしていただけるとありがたいかなと思っております。

13:31〜
古里

こんにちは、ただいまご紹介に預かりました飛騨信用組合の古里と申します。私どもは岐阜県の飛騨高山地域をエリアに活動している金融機関です。信用組合ということですので、私たち飛騨高山地域の11万人強のエリアを超えて活動はできないようになっていますので、そういった意味では非常に地域が衰退していくことに対して危機感を持っております。つまり地域と一蓮托生というようなことがありますので、いまご紹介に預かったような形で、自分たちが地域通貨というものを発行して、それが1つ地域経済の活性化につながるアプローチにならないかということで、プレイヤーとしてこのような取り組みをしております。
私たちの地域は年々人口減少が少子高齢化と社会減という要因によってどんどんどんどん進んでおりまして、統計上は他の地域の10年先をいくような状況です。この状況は、時代の先取りをしており、ほかの地域が直面する未来の世界で活動している信用組合なんじゃないかなと思っております。、地域の状況はどうかというとどんどん地域の事業者さんが廃業していって、地域の事業というのが全部空洞化しているような状況です。
じゃあ若い起業家が地域にいるのかというと、この飛騨地域、残念なことに大学が1つもありません。ですので、高校を卒業しますと、みなさん名古屋だとか東京、大阪というところに一斉に集団就職のように集団進学という形で出て行ってしまって、なかなかそのあと戻ってきてくれないというのが非常に悩ましいところです。ですので、地域の若者が地域の中でこういった社会課題に向けた事業で起業をするというのがなかなか生まれにくい状況でして、ここは地域の金融機関としてなんとかしたいなと思っています。
さきほど最後のピッチのプレゼンされた方のお話の中でもありましたように、IターンやJターンをした起業家は地域の中で非常に孤独を感じていたり、さらに利用可能な資金調達手段も都会と比べると非常に乏しい状況があるわけです。そういう点につきましては、私たちが人の面でも、地域の中の繋がりの面でも、伴走していきます。さらに資金的な面では、信用組合の中では珍しいと思うんですけれども、地域キャピタル会社を子会社として設立し、そこでいま5億円のファンドを2本運用しています。ですから地域の起業家に対してエクイティもしくはメザニンでの資金供給が可能な状況となっています。さらに本体の方ではクラウドファンディング、寄付型から投資型、購入型まで全てラインナップにそろえておりますし、今まだプレスリリース前で準備しているところですけれども、クラウドファンディングの事業者さんと連携して、小口の協調融資というところをやっていきたいと思っています。
こういうところも今仕込んでいる状況でして、本当に手厚く飛騨地域の社会課題に飛び込んで、活躍してくださる方を求めていますので、ちょっと営業みたいになってしまいますけれども、ぜひ、高山に来て、未来の社会課題に対して一緒に取り組んでいけたらなと思います。今日はよろしくお願いします。

17:25〜
新井

ありがとうございます。最後になりますけれども、福島県いわき市からいらしていただきました、いわき信用組合の本多さんの方から、今の活動の状況とサポートについて、どんな形で活動されているのか教えていただけたらと思います。

17:50〜
本多

ご紹介いただきました、いわき信用組合の本多と申します。福島県のいわき市は東京からちょうど200kmくらいですね。常磐線という鉄路がありまして、実は新幹線は走っておりませんけれども、特急でちょうど2時間あまりくらいの距離です。東京からみると非常に地の利がある地域なんですね。私どもの中で取り組んでいることなんですが、今からちょうど4年弱くらい前ですかね、3年半ほど前に、お隣にいる飛騨信用組合の古里さんに教えていただきまして、クラウドファンディング、そして投資ファンド、地域振興ファンドを立ち上げております。
それ以前から融資を含めて融資・投資・クラウドファンディングというような、いわゆる金融仲介の幅を広げる形で創業・起業・開業あるいは独立をする皆さんを後押ししております。その中で、先ほど申し上げたようにこの仕組み、投資ファンドを手掛けるというか、地域にコミットするときに一番力を入れたのが、いわゆるU・I・Jターンの呼び込みをする、そのためには東京から200km、2時間あまりの距離があるというのは弱点にもなっていて、そもそもいわき地域の出身の人たちが50,60年という単位で東京圏に流れていくというか、大学を中心に東京圏に住んでしまうのは大変大きな課題で、それをそのままコントロールすることはほとんどできないような状況なんですね。その中で、いわきで創業・起業をしようという方が、いわきの中でその仕組みがないために、東京圏で創業・起業してしまう傾向というのは以前からあったんです。それは私ども、金融機関サイドから見て大きな課題の1つととらえて、いわきにある仕組みで、いわきゆかりの方が、いわきで起業・創業する、そういう仕組みを作って、更にそれを持続的に運用できればと思って取り組んでおりました。いま現在は地域振興ファンド、飛騨さんと比べると幾分小ぶりなんですけれども、3億円の投資ファンドなんですが、投資を得た数が7社、金額で言うと1億5,800万円ほどなんですが、この7社がすべてU・Iターン事業者が関係している事業なんです。なので、当初の我々が計画をしていた形で創業を少し、ほんの少しですけれども応援することができていて、これが1つの先行事例というか実現事例になりつつあると思っておりまして、このいわきの地域でさらにベンチャーの創業を支援していきたいなと思っているところです。

22:15〜
新井

ありがとうございます。
竹本さん、サポートされる側って言っていたでしょう。僕はこれがやりたくて、なんでやりたいかというと、普通のビジコンって、基本的にピッチするのは事業をやる人なんですよ。そればっかり、どこに行っても。僕はサポートする側のプレゼンって必要だと思っていて、ずっと。それをやりたかったんですね。金融界ではこの3人が稀有なんですよ。本当に貴重な、珍獣みたいな方々です(笑)。これから増えていくと思うのですが、ただ、まだこの程度の数かって僕は思っているわけです。すごい人たちなんです。だって無担保・無保証で平気な顔してやっていますから。

23:23〜
竹本

フルパッケージですよね。

23:24〜
新井

フルパッケージ。これ、他にないんですよ。皆さんにちょっとだけ知っていただきたいのは、これは新田さんがお話になりたいと思うんですけれども、信用組合ってそもそもお金出している人、そしてお金を借りる人、使う人、これは皆さん一緒なんですよね。なので、地域と一体化した金融機関として。皆さん銀行を大きい順番にみるとメガがあって地銀があって、信金があって信組があって、信組が一番小さいって思われているかと思いますけど、信用組合って素敵な仕組みなんですよね。で、素敵な仕組みだと思ってお三方やられている。このことは、僕はすばらしいなと思っています。本多さん、そうですよね。マイク持っているのでちょっとだけ。ここ熱弁されるところではあると思うのですが、短めにお願いします。

24:23〜
本多

申し訳ありません、話が長いので有名なんです(笑)。一言だけ申し上げると、いま仰られたように、私たち信用組合は地域の中で大分のリスクを負担して、地域とともに生きていきたいと思っています。シンプルに、地域にある健全で、成長性、将来性がある取り組むべき課題に対するリスクに対しては、我々こそが、もちろん大分の負担にはなりますけど、負担していきたいなと思っております。

25:09〜
新井

ありがとうございます。
お二方も喋りたそうだから、ちょっとだけですよ。

25:18〜
古里

すみません、じゃあちょっとだけ喋らせてもらいます。僕がいまやっている事業は、さるぼぼコインという地域電子通貨の事業を自分たちがプレイヤーになってやっているんですね。ここのところでは支えられる側にも僕らは立っているんです。
先ほど新井さんに言っていただいたように、結局私たちの組合の中の職員もお客さんも出資者も全員地域の住人なんですね。僕ら自体がちゃんとプレイヤーになりながら、そのときは支えられて、で、他のプレイヤーに対しては私たちが色んな人、もの、資金も含めて支える側に回ると。僕たちがやっている業務、地域金融というのはこれこそまさにソーシャルビジネスだと思うんですね。だから僕らもソーシャルビジネスを支える客観的な立ち位置だけに立っているわけではなくて、僕らもソーシャルビジネスをやるプレイヤーとしても存在しているんじゃないかと思いまして、そこがやっぱり面白いところだと思っています。

26:24〜
新井

せっかくなので新田さんもお願いします。

26:27〜
新田

信用組合って株式会社じゃないんですね。組合なんです。私たちは金融機関である前に地域の組合です。信用組合の資本というのは、地域の組合員からの預金で成り立っています。貸出先は全て組合員です。ですから、私たちにとって祭で神輿をかつぐのも、町のゴミ拾いをするのも、全部これが本業です。
金融機関というふうに見るより、地域の組合がなぜか金融機能までもっている、こちらのアプローチの方が正しくて、地域が滅びると私たちも自動的に消滅します。そういう意味では、私たちは地域に対して言うのではなくて、私たち自身が地域の一部だということですね。すごく簡単な話なんですけれども、そういうつもりでやっています。

27:17〜
新井

ありがとうございます。素敵なコメントでね、竹本さんこれ聞いてどう思います?

27:24〜
竹本

もっと早く知っていれば、そっちに移転して起業したかった(笑)。
結局、 藻谷浩介さんに言わせれば「林業は成長産業だ」っていう話もあったりするんですけど、林業・木材業がなかなか難しいのも、地域の森の未来に自分の未来、家族の未来が投影できないからなんですね。その地域の未来と自分の森が重なっていればその森を最適にすることで自分の未来とか地域の未来が良くなるということなんですけど、そこに分断があって、自分たちの未来、地域の未来というものと自分の持っている森とは関係がないっていう、そこが完全に分離、モジュール化、断絶があるんですよね。ですから皆さんの話を伺っていると、外には行けない、この地域の未来がなければ自分たちの未来もない、だから自分たちの未来を投影しながら地域の未来を、っていう、この自分ゴト化の連鎖がすごくよくできているんだろうなと思いますね。

28:25〜
新井

本当ですね。私もずっと色んな会社を拝見させていただいていて、最近特に思うのが壁をとることだと思っていて、いま時代に求められている会社像とか組織像とかありますけど、基本的にやっている行為は何かっていったら、ステークホルダーがたくさんいて、利害関係を生むのは結局壁があるからなんですね。
信用組合とかそれ以外の組合もそうですけど、要は全てが自分自身なんですね。自分自身は責めないでしょう、自分では。自分以外だと思った瞬間に人は違うものだと思って責め始めるんですよ。つまり、壁を取ること自体が組織上も必要で、それは経営者と社員、取引先、お客様、株主、全部一緒なんですよね。すべて皆さんが社会課題を解きたいと思った一員であると思えば、当然ながらそこに利益相反は生まれなくて、自分たちが課題を解決する側になって、自分たち自身もそれをなんとかしたいと思う人たちになる。そういう投資家やそういう金融というもの自体が必要とされているんだろうなと思うんですけど、明寿香さんどうですか。

30:00〜
都築

本当にそう思っていて、今の、さっきからキーワードに出ている効率化、格差社会、環境破壊とかがあって、昔ってもっとコミュニティがきちんと機能していて、私が投資とかベンチャーの支援を始めたときに思ったのが、このコミュニティのお節介おばあさんになろうって思ったんですよ。

30:24〜
新井

いいですねえ(笑)。

30:25〜
都築

それはやっぱり横を繋げていく人がいないとか、あなたはステークホルダーで私はこう、ということではなくて、誰かが横串をグサッて刺して、「ちょっとちょっと関わってよねえねえ」みたいなことをやる人がいないと、エコシステムやコミュニティはつくれないし、良い社会ってつくれないと思ったんです。だからさっきのその話からいくと、教育もやってますけど、よく新井さんがおっしゃるような本業の拡大解釈というところでいくと、コミュニティが良くならないと自分の周りの人も幸せにならない。逆もありで、自分の周りの人が幸せにならないとコミュニティ全体も幸せにならない。じゃあ自分はその中でどういう役割をもって立ち振る舞っていくということはすごく大切だと思います。

31:15〜
新井


そうですよね。それを20年近くも前からやってきたことがすごくて。先ほどさらっとインキュベーションって言っていましたけど、ユーグレナという会社はここから出てますからね、そう考えるとここにいるメンバーってなかなかこうやって並ぶことはないメンバーなんですけど、この方々がいるからこそ今支えられている会社さんたちや、そういった活躍しているメンバーがいるということは想像していただけたらいいのかなと。
実は起業家だけで戦っているわけではないんですよね。こうやってサポートする側も一緒になって戦っていく。で、戦っているわけではないんですよね。本当は皆さんが一緒になって社会をつくりに行っている仲間同士なんですよね。同士は集まるほどやはり強くなっていく。
私は、ずっとボーダレスの田口さんとこのイベントを企画するうえで一緒になって話をしてきました。最初、彼はこう言ったんです。皆さんご存知か分からないのでお伝えしたいんですけど「私は年間10社起業していってもらって、ボーダレスグループというのを大きくしていくことに、やっとできるようになりました。でも新井さん、10社じゃ遅いんです」彼は言ったんです。「少なくとも来年には年100社増やしたいんです。そのためにはアカデミーを、教育をしない限りにおいて、100社っていうのは難しい。なので、一緒に考えていただけませんか」って言ったんです。
私はこの話を聞いて、もう1つ思い出してしまったことがあるんです。このあいだフィンランドに行ってきたんです。
実は、フィンランドで協会の方とお会いした時に言われたんです。「教育で変われます」って。お嬢さんがいらっしゃって、フィンランドで一番学力が高い国立に入られているんですけど、お嬢さんがビーガンなんですって。で、理由がすごいんですけど、「牛の環境負荷が高いので、私は牛を食べません」と言ったんです。教育でそこまで変えられる。だからアカデミーとか教育ってやっぱりすごいなと。そこまで意識を変えられることに衝撃を受けたんです。
やはり教育って、eumoもアカデミーをこれからスタートするんですけど、本当に大切だなと思うんですが、明寿香さんがずっと教育をやられていて、その思いがどういったところにあるのか、せっかくですから一言いただけないかなと思いました。

35:11〜
都築

大学でも社会起業家を目指す、ソーシャルベンチャーとかを目指す学生の授業をやるんですけど、うちは大学以前の幼稚園から大学院まで全部やっていて、最近本当に思うのは、大学生とか社会人とかに向けた講義もいいと思うんですけど、もっとやらなきゃいけないのは、小さい子どもに対してと、家庭に向けての親育のところをやらないと間に合わないなと思います。さっき田口さんが間に合わないと言ったのと同じくらい、だんだん親が子どもに対しての、しつけという言葉はどうかと思うけど、伝えていく言葉―どうして自然が大切なのかとか、どうしてリサイクルやるのか、電気を消すのかとかを教えることを家庭でやっていただいて、学校に来てなぜそれが学問的に必要なのかを学んでいく。あとは友達とのコミュニティの中でそれを学んでいく二段構えがあって、そのあとに大学とか社会人向けの大人の教育というソーシャルビジネスという考え方が大事だと思っています。

36:29〜
新井

仰る通りで、僕は教育で多くのことを変えられると痛感したんですけど、ちょうど新田さんにマイクがいっているので、そこに合わせて。新田さんがいつも金融界のメンバーに対してお話されるときに、金融は誇りを取り戻さないといけない、そう仰られているもんですから、新田さんが素敵でしょうがないですね。
リーマンショックがあってから、金融が変わらないといけないと言っているにも関わらず、金融が変わっていない。でも変わろうとしているお三方なんですね。そう言った中で金融マンがどう金融として変わっていかないといけないか、そして、これからの金融がどうあるべきかというところをお聞かせいただけるとありがたいかなと思います。

37:35〜
新田


実は先月バンクーバーでGABVの世界大会、世界で54の世界中の金融機関のCEO会議があって、日本で唯一私が参加してきたんですけれども、外から見たときの感覚というのは、日本のこの閉鎖性と均一性、特に金融業界という意味では。世界には色んな金融機関があります。その中で日本はどうなっちゃっているんだろう。
別に、大きな銀行の株式会社の金融だとか、あるいは投資銀行だとか、たくさん金融ってあるけどそれを否定しているわけではないんです。ただ、アメリカでいうと6,500のクレジットユニオンはあります。フランスもドイツもイタリアも何千というクレジットユニオン、クレジットコーポレイトがあります。これがないとやはり先進国は立ち行かない。
あるいはアジアやアフリカですと、私グラミン日本のアドバイザーもしていますけれども、グラミンモデルがものすごく普及しています。そういったものが日本には高度成長期の金融以外ないという、これに対する危機感。将来のことを考えた時に金融もやはり多様性が必要だ。私たちも含めてそう思いをもった、ある意味では新井さんも仰っていることにも繋がるかもしれません、色んなお金があっていいはずなんです。色んな金融があっていいはずなんです。その多様性、これが新たな創造、ともにつくりあげる共創、あるいは共感を生み出す。こんな共感とか共創を生み出すお金を扱える金融機関でありたいなと思います。

39:19〜
新井

皆さんともう少し話したいんですが、時間がなくなってきまして、せっかくなので会場からご質問をお受けしたいと思うんですけど、質問、そして期待でも何でも良いです、質問のあられる方は挙手していただいて、マイクを回したいと思いますがいかがでしょうか?

40:06〜
質問者

貴重なお話ありがとうございました。最後のところで出ました、世界にはこういったことを支援する多様な金融機関があるよという話があったんですけれども、どうしても日本にいるもので、そのイメージがどのようなものなのか湧かないものでして、海外、ヨーロッパやアメリカにあるこういった様々な取り組みだったり地域を支援する金融のあり方はどういうものがあるかという具体的な事例なんかも教えていただきたいと思いました。

40:35〜
新田


思いつくところから、まずGABVのチェアマンをやっているのはオランダのトリオドス銀行という銀行です。ここはまさに環境金融という、脱炭素といいますかクリーンエネルギーに特化した金融です。
それからドイツにGLSバンクというのがあります。これは学校と街づくりの金融機関です。この金融機関、長い歴史の中で一度赤字になったことがあります。この赤字、どうやって埋まったと思いますか?地域の人が寄付して埋めちゃいました。これが世界のサステナブル金融機関です。イタリアにはバンクアエチカ、エジーク、いわゆる倫理銀行です、まさに。倫理に沿ったことしかやらない。そういうことから見ると、私たちはまだまだで、世界中をみると非常にその辺の、まさにサステナブルなあるいはESG、価値ある金融、バリューベストバンキングと言います、これを徹底してやっている金融機関があって、しかもこういった金融機関は世界でみるとエクスポージャーをどんどん伸ばしているのはこっち側なんですね、投資銀行ではなくて。これがむしろ今の最前線ということですね。もしご興味があれば、54全部ご紹介できますので。

42:05〜
新井

ありがとうございます。もうお一方、いかがでしょう?

42:31〜
質問者

お話ありがとうございました。いま大学3年生の者なんですけど、これから就活だったり、大学生になってから仕事のことを考えることが多くて、そこで課題に感じているのが先ほど仰っていた小中学生だったり、幼い子どもと社会の関わりが少ないなと思っていて、そういうところで教育機関を利用して企業とのかかわりを増やすところで何か考えがあれば、教えていただけたら嬉しいです。

43:13〜
新井

ありがとうございます。すいません、時間の関係で私の方で代表して回答させていただきますと、先週も高校で私はお金の授業をやらせていただいております。やはり皆さんお小遣いは小さい頃から使うんですけど、お金について教えられる親がいません。何故かというと、親の世代もお金について教育を受けていないからです。なので、よく私は金融機関にいて聞かれるのは、極端な話で言うと、親御さんからお小遣いっていくら払えばいいんですかと聞かれることもあるんです。それくらいお金についてよく分かっていない。
社会との付き合い、働くっていうのはお金と密接に関わっているので、その密接に関わっているお金と働くをテーマに私は全国の高校や中学校、一番若い年齢だと小学校からやっています。で、私の力だと足りません。なので、そういう仕組みづくりをしていただけるように働きかけたいと思っていますし、いい課題・テーマですので、それをテーマに一緒になって活動していただけたらと思うんですが、いかがでしょうか。

44:27〜
質問者

ありがとうございます。

44:28〜
新井

ありがとうございました。
残念ながら時間になりましたが、実はこちらにいらっしゃいます第一勧業信組の新田さんとソーシャルベンチャー活動支援者会議というのを発足することを先日決めました。
これは何かと言うと、今日はボーダレス・アカデミーの卒業生のイベントですが、そういうイベントを1回1回寄付を募ってやるのは面倒くさいので、これを全国でまとめてサポートする任意団体を立ち上げようということで設立させていただくことになりました。正会員1口年間5万円、賛助会員1口年間1万円となっております。個人でも参加できます。そういった形で直接でも良いです、間接でも良いです、色んな形でソーシャルベンチャーをサポートしていただけたらありがたいかなと思っております。こちらの詳しい説明に関して必要な方はいつでもお声かけいただきたいのと、詳細は私が経営者を務めておりますeumoという団体のホームページをご覧いただければ出てくるようになりますので、よろしくお願いいたします。
それでは、時間になりましたので終了させていただきます。本日は素敵な5名の登壇者の方々、皆さん素晴らしかったので拍手をお願いできればと思います。どうもありがとうございました。

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