理想の社会とは。ビジネスのあり方とは | ボーダレスジャパン田口一成オープニングセッション全文書き起こし | 社会起業家をつくるソーシャルビジネススクール

理想の社会とは。ビジネスのあり方とは | ボーダレスジャパン田口一成オープニングセッション全文書き起こし

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アカデミーファイナルピッチ 全文掲載

00:00〜
田口

皆さんこんにちは。今日は日曜日朝早くからこんなにたくさんの方にお集まりいただき、有難うございます。
ボーダレスジャパンの代表をしています田口と申します。
今日この会を始めるにあたって、最初にまず私のほうでキーノートスピーチということでお話をさせて頂きたいと思います。
ではさっそくいきたいと思います。

00:27〜
田口

「東洋の奇跡」

みなさんこの言葉聞いたことあるかと思います。
私たち日本人は戦後の焼け野原から、たった数十年で驚異的な復興を遂げました。そして経済発展。驚異的なものがありました。世界の人々はこの日本の復興を東洋の奇跡として称えました。

経済的発展は目覚ましく、戦後たった二十年で世界第2位の経済大国に日本はなることができました。
JAPAN as No.1と言われ、日本の高度経済成長は世界から注目を集めます。生活は豊かになり、欲しいものは何でも手に入る時代になりました。外に出れば24時間営業のお店がいつでも空いている。欲しい時に欲しいものがいつでも買える時代になりました。好きな服を買えます。次から次へ新しい新商品・新しいサービスが登場し「衣食住」が揃ったとても便利な社会になりました。

そして、私たちは幸せになったのでしょうか。

1:35〜
田口

産業活動の発展と引き換えに、二酸化炭素の排出は増え続け、産業革命前に比べて大気中の二酸化炭素濃度は40%上昇しています。深刻な地球温暖化を招いています。
この地球温暖化が進むと、海面温度の上昇。それによる気候変動。伝染病の拡大など私たちの暮らしに大きな影響が生まれます。
近年繰り返し起こる異常気象。その危機はもう目前に迫っていると思います。

そしていっこうになくならない紛争。
広がり続ける所得格差。日本の子供の6人に1人は貧困だと言われています。増え続ける片親世代。その50%が相対的貧困だと言われています。
増え続ける精神疾患。5人に1人が生涯に何かしらの精神疾患を抱えていると言われています。
15人に1人がうつ病にかかると言われています。

日本人の若年層の自殺率は世界でトップクラスです。15歳から39歳の死因の第1位が自殺という悲しい現実。
さらには世界に先駆けて訪れた、超高齢化社会。核家族化は進み独居老人は600万人を超え、年間3万人以上が、誰からも気づかれず孤独死を迎えています。

2:57〜
田口

衣食住足りて、私たちは幸せになったのでしょうか。

もしかしたら「衣食住足りて、不幸せ」になってはいないだろうか?

資本主義。
今まで目覚ましい経済発展を遂げた。そこでそれを支えてきたのは、紛れもなくこの資本主義です。
この資本主義とは何でしょうか?
辞書を引いてみました。このようなことが出てきました。

3:22〜
田口


「資本家による利潤の追求。それを原動力として動く経済体制。利潤の追求によって突き動かされる社会のシステム。」
それを資本主義といいます。

たとえば、こう考えてみましょう。
みなさんがこれから農業経営を始めるとします。どこで始めてもいいよと言われたら、皆さんはどこで始めますか?
おそらく、大消費に近い、平で水が豊かで、トラクターを使って大規模に耕作できる土地を選ぶと思います。

あえて、消費地から離れた山間地域の狭い土地で農業をはじめないと思います。なぜでしょうか?それは効率が悪いからです。 
今度はアパレル工場の経営をやってみると考えてみてください。みなさんが服を作って、メーカーさんに卸しをする。
どんな人を雇いますか?
おそらく、手が器用で、覚えが早く、週5日間1日8時間働ける若い人を雇うのではないでしょうか。
あえて、障害を持った方や、託児所を持って時短勤務をしないといけないシングルマザーのお母さんたち、子育て世代のお母さんたちを雇うでしょうか。
おそらく雇わないでしょう。なぜでしょうか?効率が悪いからです。
メーカーさんに服を作って収める。売値を上げることは、すごく難しいですよね。だから効率よくやらないと赤字になっちゃうんです。それがビジネスだと思います。

4:52〜
田口

そうです。資本主義というのは、一言で言うと、効率の追求です。
売上からコストを引いたものが利益となります。
利潤の追求のためにコストを落とさないといけない。そのための徹底した効率化が、資本主義の本質です。

その結果、効率の追求というマーケットから取り残された人や地域。それが社会課題となっています。
先ほどのシングルマザーや障がい者の人たち。
では彼らは何を求めているのでしょうか。彼らは働きたいと言っています。働く場所を求めています。

5:31〜
田口


つまり今必要とされているのが、「非効率」をも含めた、新しい経済のカタチです。政府の支援もNPOの支援もボランティア活動も、とても大切だと思います。
でも彼らを巻き込んだ新たな経済システムを今作らないといけないと思います。

5:50〜
田口

それこそが「ソーシャルビジネス」です。

利潤の追求、効率の追求を目的としたビジネスでは広げきれない人や地域。そこを含めてもう一度デザインし直す。それがソーシャルビジネスです。
より社会が発展していくために、私たちの生活をより豊かにしていくためにビジネスは必要です。1人では自活できない人たちのために、NPO活動NGO活動、そういった支援ももちろん大切です。
どちらとも社会にとって重要な役割を果たしています。ただ、それだけではカバーできないところがあります。いってみればビジネスはしっかりショートを守ってくれています。NPOやNGOはサードを守ってくれています。ただ三遊間が空いちゃっているんです。
そこをカバーする人たちが必要です。それがソーシャルビジネスだと考えています。

6:40〜
田口

社会問題にビジネスという手段でアプロ―チする、起業家のことを社会起業家と呼びます。この社会起業家が増えれば増えるほど、解決される社会問題が増えていく。この一つの方程式を信じています。
そして社会のために挑戦する社会起業家が失敗するのは、本当に社会にとって大きな損失です。だったら世界に一つくらい、社会起業家のための会社があっていい。そう思ってボーダレスという会社を作りました。
企業経営に必要なノウハウ・人材・資金。それを提供し共有しあうプラットフォーム。そういう会社を作りました。

7:18〜
田口


いわゆるホールディングス会社とは違います。
上下関係・支配関係ではなく、起業家たちがお互いに支えあうコミュニティ。相互扶助のエコシステムです。
起業家たちは自立したいと思っているが、孤立したいとは思っていません。独立経営は維持しつつも、みんなが仲間となって仲間になって助け合うことが必要です。
特徴的なのは、この恩送りという仕組みです。

ボーダレスグループ各社の利益は、みんな共通のポケットに入れられます。その利益を使ってこれから起業しようとする社会起業家をサポートします。
単月黒字になるまではマーケティングサポート・デザイン・広報全ての支援が無料で行われています。そうやって黒字になると、あの時みんなの支援があって自分は黒字になった。助けられた。今度は自分がサポートする側に回ろう。そうやって受けた恩を次の社会起業家に回していく。
それが恩送り経営、ボーダレスの仕組みです。

8:21〜
田口

今では日本だけではなく、韓国・ミャンマー・バングラデシュ・グアテマラ世界8か国23を超える事業をやっています。
この1年間で新たに10社の会社が登場しました。ところが世の中にはまだまだたくさんの社会的問題があります。
ボーダレスという一企業グループでやれることは限られています。
どうやったらもっと多くの社会起業家が生まれるのだろうか。日本中で社会課題に立ち上がる、チャレンジャーたちが生まれる社会システムとは何だろうか。

8:55〜
田口

そこで注目したのが芸人さんたちです。昔は芸人といえばダウンタウン、ウッチャンナンチャン、とんねるずなど一握りのスーパースターたちしかいませんでした。
ところが今はどのテレビ番組を見ても、司会やコメンテーター、サポーターまであらゆるところに芸人さんがいます。
なぜこんなに芸人さんが増えたのでしょうか。
そのカギを握るのが、吉本興業が運営する芸人養成所です。
芸人の世界で成功するのは簡単ではない。と分かっていながら、なぜこれほど多くの人がチャレンジしているのでしょうか。
それはこの芸人養成所のおかげかもしれません。
芸人になりたいと思ったら、まずNSCに入る。自分が芸人に向いているかどうか分からないけれど、芸を一生懸命磨いてみよう。そこで相方を見つけ、自信がつけたら芸人の道に進めばいい。そうでなかったら他の道に進めばいい。その安心のステップがより多くのチャレンジャーを生み出しました。

10:00〜
田口


そう考えると起業も同じではないか。いきなり起業して一か八かの勝負に出ろ。借金をしなさい。それではいつまで経っても挑戦者は増えません。起業したいと思ったら、まず起業について学べる起業家養成所に入る。そこで起業のイロハを学びながら、ビジネスプランをたくさん書き、そこでこれなら自分でやりたい。これぞやりたいというビジネスプランが見つかったら、起業する。
そうでなければ転職・就職すればいい、その安心を捨て、僕は起業にも必要だと考えました。

10:38〜
田口

そう思って作ったのが社会起業家養成所ボーダレスアカデミーです。今までたくさんのソーシャルビジネスを立ち上げてきた、ボーダレスだからこそ出来る事。
多くの人が社会に挑戦するために、私たちは今まで作ってきたノウハウを100%注ぎ、社会起業家養成所ボーダレスアカデミー第1期を昨年10月、東京と福岡ではじめました。東京と福岡、各50名を超える社会起業家の卵が集まり、オンライン聴講は80名を超えました。
5か月間のプログラムを終え、自らのソーシャルビジネスを発表した卒業生の中から、今日8名がこのあと登壇します。ぜひ今日新たに誕生する社会システムを、社会ソリューションとしてのソーシャルビジネスをぜひご覧ください。

11:30〜
田口

そしてこの社会起業家を生み出す、社会システムが必要だ。このアカデミーを日本全国に作って、日本のどこにいてもチャレンジできる社会を作りたい。という僕の呼びかけに、そういう目的なら協力させてくれ、と一つ返事で受けてくれたアドバイザリーボードの皆さん。講師の皆さん。今日日本全国から、この場に駆けつけてくれました。みなさん各界で実践者として活躍する社会的リーダーたちです。
僕が心から尊敬する彼らの考えを、今日皆さんと一緒にシェアできたらいいなと思っています。

12:06〜
田口

人間は競争ではなく、共に助け合って進化してきました。それが僕ら人類の歴史です。僕らはもっとできるはずです。
効率だけじゃない世界。人をもっと幸せにする世界。そんな社会がつくれるはずです。

仕事としてじゃなく、人の営みとしてのビジネス。そういうものが作って行けるはずです。

12:30〜
田口


今日この場にいらっしゃる皆さんと共に、理想の社会とは何だろうか。これからのビジネスのある方とは何だろうか。
そんなことを一緒に考えていければと思います。
今日は一日、どうぞ宜しくお願い致します。

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