ボーダレスアカデミー ファイナルピッチ-出場者NO.2 外村大 | ボーダレスアカデミー | 社会起業のためのソーシャルビジネススクール
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ボーダレスアカデミー ファイナルピッチ-出場者NO.2 外村大

アカデミーファイナルピッチ 全文掲載

1:09〜
外村

こんにちは外村大です。
突然ですが、みなさんは転職してくださいと言われたら、どのようなサービスを利用しますか?真っ先に思いつくのは、求人広告、転職エージェント、そして、ハローワーク。このあたりではないでしょうか?
でも、みなさんとは違って、高校生が就職活動をするときには、選択肢はほぼ一つしかありません。
進路相談をしてくれる学校の先生たちです。高卒で就職を希望する人は、毎年19万人。意外に思われるかもしれませんが、全体の約20%の高校生が、就職を希望していて、その内約半数は普通科など専門学科以外の高校生が占めています。

1:57〜

ここで注目したいのが、高校生の離職率です。
1年目の離職率は17%。3年以内の離職率は、なんと39%にも達しています。仕事が自分に合わないだったり、人間関係が良くなかったことが、大きな原因です。先生たちのサポートがあるにもかかわらず、なぜこのようなことが起こっているのでしょう?
実は、高校生の就職活動には不思議なルールが潜んでいるのです。
まずは、職業安定法。
高校生は企業のリクルーターと直接会って話すことができず、ハローワークのこのような分かりずらい求人票をもとに、応募先を選んでいます。

2:38〜
外村

それだけではありません。
なんと一人一社しか選ぶことができないのです。しかも面接はたったの1回限り。内定辞退なんて持ってのほかです。
多くの高校では、キャリア教育がまだまだ浸透していません。社会のリアルを知る機会がほとんどない中で、たったの1社しか応募できないのです。そして採用のミスマッチが起こっています。
このような状況に置かれる高校生に向けて、私は長期インターン専門のエージェントサービスを展開しようとしています。

3:13〜
外村

職業公募や短期インターンでは、高校生はお客様扱いされてしまい、また、単なるアルバイトではキャリアに繋がりません。
だから私は、キャリアに繋がるインターンを通じて、高校生にリアルな仕事体験を提供します。
簡単にご説明すると、これは、成果報酬型の人材紹介サービスです。
一般の人材紹介と違う点はただ一つで、インターンによる雇用契約。これを起点としています。
企業がインターン生と雇用契約を結ぶと、紹介手数料が発生する。そういう仕組みです。
「hint」のメインターゲットは、時間的制約の少ない、定時制、通信制の高校3年生です。そして高校採用実績のある企業をターゲットにしています。高卒採用市場において、競合は広告求人や採用セミナーにより、収益を上げています。そういった企業とは対称的に、「hint」では、成果報酬型で、かつ、高い内定承諾率を実現できるモデルを採用しています。

4:22〜
外村

その理由も含めてサービスをご紹介します。
まず就職前の高校3年生に向けて、1ヵ月ずつ、合計3社から5社のインターンを提供します。学校を介さず自分で進路を開拓することで、これまで1社だった応募枠が最大5社まで広がります。生徒はこの5社の中から就職先を選びます。
次に企業側の視点です。4人のインターン生から1人の採用が決まれば、内定承諾率は25%になります
これまでのように高校の先生との関係性構築に力を入れなくても、高い数字を保ったまま生徒を採用できるのです。
「hint」のサービスはそれだけではありません。
入社前のキャリアアドバイスに加えて、入社後3年間、いつでも進路相談を受け付けます。このサービスの特徴は在学中のインターンから入社、また場合によっては転職までを、シームレスにサポートできることです。

5:21〜
外村

なぜここまでするのか?高校生の中には社会を知らないがあまり、1社目で希望を捨ててしまったり、うつになってしまう人がいます。そのような人は転職市場に現れることはなく、なかなかサポートができないのです。
だから「hint」では高校生に徹底的に寄り添い、そのような事態を防ぐのです。価格は1回のインターンあたり5万円。正規雇用されると12万円を成果報酬としていただきます。早期離職の場合は、月割りで返金に対応します。
1つの企業が4人のインターン生を1か月招き、そのうち一人を採用した場合1人あたりの採用コストは30万円となる計算です。
求人広告費よりは割高に感じるかもしれませんが、それでも高校との関係構築の費用が不要となり、さらに離職率が低下することを考えれば、十分価値を見いだせていただけるのではないでしょうか。

6:21〜
外村

私が目指しているのは、高校卒業後すぐに天職に巡り合える社会ではありません。
どんな仕事をしたいのか、どんな人と働きたいのか、たくさん悩み、たくさん失敗し、そういった経験を通じて、自分にマッチした仕事を見つけていく。
学歴なんか関係なく、誰もが希望を持って、自分の道を自分で切り開いていく。そういった社会を作りたいと思っています。
まずは、定時制、通信制に通う就職希望者の内、1万人の高校生を対象にその人たちの選択肢を5倍に広げていこうと思います。
以上です。ありがとうございました。

7:03〜
司会

はい、外村さんありがとうございました。
高校生の就職の際のミスマッチを防ごうというお話をいただきました。
それでは審査員の皆様からコメントを頂戴いたします。
1人目の審査員、法政大学キャリアデザイン学部教授の田中研之輔様、お願いいたします。

7:23〜
田中

はい、ありがとうございました。すばらしい、お話で。
私も今大学でキャリア教育をやっているので、いろんなことを考えながらお聞きしていました。
で、大学にくるのは今52%なんですよね、18歳人口で。なので48%、まあもう少し減らして、44%。44%は高卒、高校を出て就職されているということですね。
確かにおっしゃるようにそこは盲点になっていて、高校の先生を通じてハローワークを通じて1社に就職せざるをえないという選択肢がない状況があって、どこのエージェントもどこの採用もそこには目を向けていない。
やっぱり日本社会って、それこそいいとこの大学の生徒から順番に取っていく風潮ってすごくあって。
その中でこう、まあソーシャルビジネスでいうと埒外、認識の埒外に置かれている子たちっていて、でもその子たちも人生においてすごく可能性をもっていて。
その最初の入り口のところで、しかもその就職して3年目で39%が離職している現状から目をそむけないで、ぜひこのサービスを根付かせていってほしいと思います。

8:26〜
田中

で、お聞きしたいのは、長期インターンに入って、前後でキャリア形成のアドバイスをされるとおっしゃっていますけど、そこはこうインターネット上でやるのか、1万人規模であるならば、アドバイザーを立てて、前後に丁寧な1on1みたいな感じでやるのか、その辺はどういう風なビジネスプランでしょうか?

8:47〜
外村

はい、私は1on1で直接アドバイスすることしか考えていません。というのは、やっぱり高校生に対して丁寧なサービスを提供しないと、なかなか高校生としても就職に対しての考えがまだ全然なかったりするので、そこは1人1人丁寧にサービスしていきたいと思っています。

9:09〜
田中

今現状として学歴格差が、情報格差につながって、さらに機会格差につながってしまっている。
このことは深刻な問題だと思うので、応援しています。ぜひ、頑張ってください。

9:17〜
外村

はい、ありがとうございます。

9:20〜
司会

それでは、2人目の審査員、日本経済大学学長の都築明寿香様、お願いいたします。

9:27〜
都築

すばらしいプレゼン、ありがとうございました。私は今大学の経営のガバナンスの中に関わっているのですけど。その中で、高校を訪問して、学校の先生とか生徒さんとお話しする機会が結構あって東京はちょっとわからないのですけど、地方のほうっていうのは本当に高校から大学に進学しない学生がかなりの件数いて、地元で就職をして、地元で根付く、って学生が多いので。その中で今日話に出た、企業のリクルートさんと会えないとか、1人1社しか応募できない、というのを今日初めて伺ってすごく驚いていました。
今日のプレゼンは高校生にフォーカスしたものですけど、1つ質問があるのは、企業側のニーズとして、高校生をインターン、そして就職で取っていきたいってニーズはどれぐらいなのか教えてください。

10:33〜
外村

はい、どれほどあるかまでは、正確には把握していません。
ただし、高校採用に対してかなり熱心な企業があるのは事実です。
というのも、大企業にはなるのですけれども、高校採用っていうのがこれほど厳しいルールが敷かれてるものですから、ある企業は高校採用に特化した従業員を配置して、その人は1年間高校採用しかやらない。それぐらい熱心な企業もあります。
僕はそういった企業をメインにこのサービスを展開していきたいなと思っています。

11:11〜
都築

ありがとうございます。
高校生で就職したいという学生を集めていくのも大変だと思うのですけれども、今のように企業側の、担当者の方の賛同を得てそちらを集めていくというのも必要だと思うので、ぜひ両輪頑張っていってください。

11:29〜
外村

ありがとうございます。

11:30〜
司会

それではもうお1人方、株式会社ボーダレスジャパン 田口一成様 お願いいたします。

11:39〜
田口

はい、お疲れ様でした。外村がこの課題を持ってきたときは、とても素晴らしい課題だなと思って、改めて今日聞いて素晴らしいなと思いました。
質問というよりも、自分は一緒にやってきたので、質問ではないですけれども。
改めて聞いて、これ39%の人が今3年以内に離職するという決して積極的な理由ではなく、そうなったときにミスマッチを無くすということで、これをいくらか減らしていくということだと思うのだけれど。実際にはね、入った後とはいえいろんな課題が起こってくるということがあると思うので、ぜひこの就職した後も、どう継続してコンタクトをとれるかそれこそが凄く大切だし、そこまでデザインできたら素晴らしいと思います。
そして、2つ目の会社にステップアップしたいとか、やっぱりもう一回考え直したいとか、そんな時に帰れる先があるかどうかが、すごく大切で、そんな存在になっていけたらとてもいい大きなインパクトが、その人の人生に与えられるかなと思うのでぜひそこまでやれるように頑張りましょう。
はい、お疲れ様でした。

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